カキカエブログ

薄口慶應ライター始めました

ドクター・ストレンジはバットマン・ビギンズのパクリなのか? -或いは新たな神話の創設-

先日行ったマーベル・カフェがきっかけで、元々行く予定であったドクター・ストレンジがますます楽しみになっているのである。

いるのであるが、どうも引っかかる部分がある。
見覚えがあるというべきか……既視感?

そう思っていたら、昔TSUTAYAで300円で買った映画を思い出した。

バットマン・ビギンズである。

それぞれのあらすじ

まずドクター・ストレンジはこうだ。
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神の手を失った天才外科医が、魔術の力で甦る―
彼の生きる道は―医術か、魔術か

上から目線の天才外科医ドクター・ストレンジ。突然の交通事故により、神の手を失った彼を甦らせたのは─魔術。指導者エンシェント・ワンのもと、過酷な修行をかさね人智を超えた力を手にしたストレンジだったが、世界を破滅へと導く闇の魔術の存在を知ったとき、彼は壮絶な魔術の戦いに巻きこまれてゆく。しかし、“人を決して傷つけない”医者としての信念が、敵であってもその命を奪うことをためらわせる。彼は、いかにして闇の魔術に立ち向かい、人々の命を救うのか?ドクター・ストレンジにしかできない、常識も次元も超えた戦いが始まる。

作品情報|ドクター・ストレンジ|映画|マーベル


そしてバットマン・ビギニングはこうだ。
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ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)の頭から片時も離れることがないのは、眼前で最愛の両親を射殺された忌まわしい記憶。
ゴッサム・シティーの路上で起きたその事件以来、ブルースの人生は一変したのであった。のしかかる罪悪感と怒り、日増しに膨れ上がる復讐心、
両親が教えてくれた博愛の精神を受け継がなければならないという使命感。さまざまな思いをかかえた失意の御曹司ブルースは何不自由ない生活を捨て去り、
ゴッサム・シティーを離れ、世界中を放浪するようになる。犯罪者の心理を知るために自ら罪人となったブルースの前にヘンリー・デュカード(リーアム・ニーソン)が
現れる。“影の軍団"を率いるラーズ・アル・グール(渡辺謙)の代理人と称するこの男は、ブルースの秘めたる資質を見出し、“影の軍団"へとスカウトする。
デュカードの指導の下、悪を倒し、恐怖心に打ち勝つ術を見つけるために、心身を極限まで鍛え上げるブルース。だが、永い修行を終えると同時に“影の軍団"の
真の目的を知り、組織を離れることを決意する。

Amazonより

そうココが被っているのだ。
・上流階級だった人が、不幸により転落する
・どん底人生を歩んでいたら、西洋から東洋に転じて価値観が変わる出会いをする
・死ぬほど辛い修行をして神秘の力を授かる
・自らの正義を全うする使命を知る

あれ、これってまさにツェペリ男爵じゃね?
・石仮面を被ってしまった父に仲間を殺される
・対抗手段を探すうちに、チベットにて、トンペティ師匠と出会う
・修行の末、波紋を修得する
・吸血鬼を倒すため、ジョナサン・ジョースターを鍛えて、共に吸血鬼狩りにいく

ちなみにジョセフ・ジョースターヴェネツィアでリサリサに会って、同じような事をしていますね

似たストーリー展開-ジャンプ編-

●ブリーチの黒崎一護
・普通の高校生であった黒崎一護は虚に家族を襲われ、死神になる
 (実は死神とクインシーのハーフ)
 だがしかし、その事により白哉を誘拐され、力を失ってしまう
・救い出す手段を探すうちに浦原 喜助に出会う
・命がけの修行で、死神としての力を取り返す
・ソウル・ソサエティに乗り込み、ルキアを救出しにいく
ちなみにソウル・ソサエティでもう一回修行するという、斬新二重構造になっているのだ

●ワンピースの麦わらの一味
・シャボンシティで麦藁海賊団が全員死にかけるレベルで追い込まれる
・ニキュニキュの身で全員それぞれの島に吹っ飛ばされる
・それぞれの師匠に出会い、2年間修行をする
・海賊王になる旅を続ける

似たストーリー展開-ライトノベル編-

アクセル・ワールド
・飛行能力が魅力だった主人公シルバー・クロウは、ダスク・テイカーその能力と幼なじみを同時に奪われてしまう
・友人に無理矢理連れて行かれ、東京タワーのテッペンで待っていた、師匠の師匠スカイ・レイカーに出会う。
・現状を書き換える能力オーバーレイと強化外装ゲイルスラスターを託される
・能力も幼なじみも、プライドも全てを取り返す

そう、修行する作品なら大体キリがない。
まさに王道のパワーアップなのである。

果たして、これらは全てパクリなのか?

こう考えると、案外物語というのは、互いに影響を与えているのかどうしても重複してしまう。
だが、しかしこれらをパクリと言って断罪する事が正解なのかと言えば、そうではない。

物語の研究をしている教授は多い。
そして脚本家や小説家なども研究者と言っても過言ではないだろう。

彼らの多くは、同じ結論に辿りつく。

あらゆる物語は神話のパクリだと。

だからといって価値がないわけではない。
ここに上げたどの作品も、人々を熱狂させているからだ。

つまりアレだ、いちいち物語に対してパクりだ、パクりでないというのは案外くだらない事なのだ。

どうせならディズニー「バンビ」→手塚治虫ジャングル大帝」→ディズニー「ライオンキング」のようなパクりパクられの好循環を作りたいものである。

スター・ウォーズは神話をパクり、英雄を生み出す試み

さらにスターウォーズの監督、ジョージ・ルーカスは意識的に神話の力を借りている。
神話学者ジョーゼフ・キャンベルの影響を受け、英雄の誕生に必要な下記要素を脚本に落とし込んだ事はファンの間で広く知られている。
①分離・旅立ち
通過儀礼
③帰還

これがそれぞれの映画の中で展開されるだけではなく……
・新たなる希望
・帝国の逆襲
ジェダイの帰還 と大きな三部作の構造になっているのだ。

だからなのか、バック・トゥ・ザ・フューチャーロード・オブ・ザ・リングも三部作だ。

ちょっと時間が足りなくて書き足りないが、引き続き勉強した物語論は書き続けたいと思う。
なにせ、ここは物語をも書き換える、僕のカキカエブログだからね!